ラノベを学べ!ノベルス学科の秘密‐AMGノベルス学科出身作家インタビュー

ラノベを学べ!ノベルス学科の秘密‐AMGノベルス学科出身作家インタビュー

――実際に入学してからの学生生活というのはどんな感じでしたか?

鯨 学生が持ち回りで発表するプロットに、クラスのみんなで意見を出し合う授業があったのですが、学校が終わった後に、さらに親しい仲間数人でマックにいって熱く議論をかわしたりしたことが思い出深いですね。

紙吹みつ葉先生

野島 自分と違う知識、感覚を持っている人がごろごろといるので、他人の感覚や知識を、自分の中にとりこんでネタにできた。プロになれば編集者もいる。自分の頭一つで勝負するというのはあまり利口なやり方ではないと思います。

紙吹 ノベルス学科に入るまでは、自分のまわりに小説を書く人がいなかったので、同級生とプロットの話をするみたいな、同じような事をやりたいと思う人が周りにいて、話ができるという環境はすごい幸せだなと。

鯨 自分の得意なことを見極めて武器にするのが大事だと思う。それが作家性ということなんですけど、一人では気付かないことがある。自分はここが得意なんだ、この分野は弱いなとか、比較対象がいることで自分の個性が見えてくる。勝てる土俵で勝負するというのも、戦略じゃないかと。

紙吹みつ葉
06年にノベライズ『つよきす~Mighty Heart~竜胆館のユーレイ』 (ファミ通文庫) でデビュー。この夏、初のオリジナル作品『ひな×じん 鎖の少女と罪悪感の天秤』 (ファミ通文庫) を発表したばかり。

野島 分らないところは、得意な人にアイデアを聞いてみたりとか。僕はデビュー前に、同じクラスの萌え博士からアイデアをもらいました。「このキャラを萌えさせるためには、どうすればいい?」とプロットを見せて、最初から最後まで話を聞いて、ギャラはマックのコーヒーが一杯。

一同 (笑)。

籐真 自分だけで考えるとぐるぐるしちゃうところを、皆で打破しあうというのは、一人で書いていてはできない経験です。

――ノベルス学科の講師としての野島先生と鯨先生からみて、紙吹先生と籐真先生はどんな学生でしたか?

野島 いつも授業で原稿用紙2枚の短編を書いてもらって、その中から良かったものを皆に読んでもらうんですけど、この2人はよく選ばれるので、原稿で名前を覚えちゃうんですよ。顔とか、名前よりも原稿の印象がずっと記憶に残ってて、逆に勉強もさせてもらいました。

鯨 この作品を書いた彼だよね、このプロットを出した彼女だよねという印象で、名前を覚えることが多いので、そういう意味では若干、紙吹先生の方は印象が薄かったかな?(笑)

紙吹 授業の内容とか、プロットの話よりも雑談してることの方が多かったですよね(笑)。

鯨 コミュニケーションしやすいというのも作家のスキル。同じ学年の中でも、紙吹先生はよくしゃべっていたと思います。籐真先生は、入学前から見ていたので、特によく伸びたなという印象が。よく壁にぶつかるんですけど、その時にちゃんと一皮剥けたなという瞬間があったし。最初の頃なんか、「誰が喜ぶの、この文章は」という話をして一刀両断した記憶があるんだけど(笑)。

籐真 自分では、出来るだけ感動してもらうものを書いたつもりだったんですけど、どう考えても人を不快にさせる方向に特化した物になってた。

野島 僕が覚えているのは、「その日は暑かったと」いう事を表現するのに原稿用紙5、6枚書いていた。なにかの伏線かなと思って、ずーっと読んだんですけども、そのまま終わっちゃった。あっ、そうか暑かったんだなと(笑)。その描写をあれだけ、書けるって言うのもすごい。

鯨 描写力に関しては、ほとんど言った記憶は無いですね。ある程度、作家性も固まってるように見えたので、作品を誰に向けて書くのかといった視点とかプロデュース、編集者にプロットを通しやすくするとか、そういう話をメインに指導したかな。

籐真千歳
08年『θ 11番ホームの妖精』(電撃文庫)でデビュー。短編と中編からなる初の単行本は、ハードなSF的世界観と描写がライトノベルファンの間でも話題になった。

――デビューが決まったときの喜びみたいなものは、いかがでしたか。

鯨 作品を応募して終了ではなく、長い時間をかけて、講評を踏まえて作品を直していく変則的な賞だったので、感慨も深かったかなと。webで最終発表を見た瞬間、ベランダの窓を開けて「やったー!」と叫んで閉めて。叫ばずにはいられなかった(笑)。

野島 僕は電話で「デビュー決まりました」と言われて。発売日も知らなかったので、バイトの前によった本屋で、この本は僕の作品と同じタイトルじゃないかと(笑)。喜びというより、衝撃だった。家族や友達に電話したけどつながらなくて。やっと弟に話したけどピンと来てなかったみたいですね。本を送って初めて、絵が上手いなって言われた。全然わかってない。

一同 (爆笑)

紙吹 私はもともと担当さんとオリジナルを進めていたんですけど、ノベライズをやってみないかといわれて参加したプロットのコンペで選ばれて。新人賞の選考を通ったとかいう喜びを知らないまま、地味にデビューしてしまいました。

籐真 自分はノベルス学科の編集部批評会を縁に、編集さんに見ていただくようになって。この瞬間にデビューが決まったというのはないんですけど、批評会で編集者の名刺を頂いた時のことは、とても鮮烈に記憶に残っていますね。

鯨 この子はできるかもしれないという人にしか、名刺は渡さないからね。

籐真 短編がやりたくて、電撃文庫の批評会に参加した時に、もう避けられる寸前の勢いで食らいついてしまったんですけど、結果的に名刺を頂けた瞬間は、もう自分でも何が起きたのか分らなくて。翌日には続きのプロットを4本送りました。勢いで畳み掛けるしかないと思って(笑)。

ノベルス学科卒業生作品200冊突破!!
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