【ぷらちな】キャラを着て、街に出る。COSPAデザイナー和田洋介さんインタビュー<後編>

キャラを着て、街に出る。COSPAデザイナー和田洋介さんインタビュー<後編>

■COSPAデザイナーの仕事

――現在、COSPAで活躍されているデザイナーの皆さんは、どういった分野からこの仕事に入られたのでしょうか。

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ほとんどがグラフィックデザイン分野からで、アパレル出身者のほうが少ないですね。広い視野で柔軟な考えができる人であれば、アパレルやグッズの知識がなくても仕事の中でそれを吸収していけるでしょう。

コンセプトを商品として実現するために必要な方法を考えることも、デザイナーの仕事のうちです。素材から製造技術まで、すべてを1から作れるくらいの知識を身につければ、デザインの間口も広がり、より柔軟な発想ができるようになります。

――製品の見た目だけではなく、それを作る過程まで含めてデザインするという意識が求められる訳ですね。

たとえば金属の表面に細かい柄をつけるような場合にも、プレス加工なのかエッチングなのかサンドブラスなのか…技術的なところまで踏み込んで、かなり細かく指示をしています。プリントも、印刷工場まかせではなく、デザイナーが色分解、網点の制御まで行ったデータを作って渡しています。

COSPAでは、かなり変わったものばかり作っているので、工場に図版を送って「既成のTシャツの表面にこの図版を刷ってね」で済むような作りかたをすることがほとんどないんですよ。

――デザインする上で、キャラクターグッズならではの面白さ、難しさはありますか?

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COSPAの商品は、生活雑貨とアパレルがメインですが、キャラクターグッズであることが、部屋に置いたり着て歩く上で心理的ハードルになれば、それは“いらないもの”になってしまいます。

そこで、日常で取り入れてもらえる、市場で受け入れてもらえるギリギリのラインを、デザインの中で見極めることができなければ、ひとりよがりな商品になってしまいますし、逆に安全圏のものばかり作っていては面白くありません。このバランスの見極めは難しいので、未だに自分も苦労しています。

――COSPAブランド以外にも、複数のブランドがありますが、それらのラインの中で「COSPA」の特色はどういったところにあるのでしょうか。

COSPAブランドのコンセプトは、アニメやゲームのファンが対象ですが、それらが好きな人に向けたものであれば、モチーフはアニメやゲーム以外のものであってもいいと思っています。

今は、アニメファン、ゲームファンに楽しんでもらえるものという切り口で、従来のカテゴリにない新しいジャンルの商品を少しづつ増やしている最中です。たとえばSFやファンタジーなど、名作といわれる映画や小説にもアニメやゲームとファンが重なるものがありますよね。そういったところで新しい楽しさを提案していけると、COSPAブランドとして面白い商品が作れるんじゃないかと思っています。

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――COSPA LOVIT(コスパラヴィット)ブランドでは、ビジュアル系バンドのグッズデザインもされています。もともとパンクやゴスといったファッションは、日常を少し離れているという意味ではキャラクターグッズに近いと思いますが、なぜ、COSPAがこういったものを手がけることになったのでしょう?

もともとは、ビジュアル系アーティストのステージ衣装を制作させていただいた際に、バンドメンバーの衣装をいくつか量産してみたら、ファンの女の子がコスプレで着るようになったので、さらに普段着にちかいデザインにしたところ、ファングッズとして受け入れられたのがきっかけです。

あとは、バンドメンバーをキャラクター化したグッズを作ったりするなど、アーティストを、COSPAでやってきた手法でキャラクター、タイトルとしてとらえた時に、どのような相乗効果が生まれるかというアプローチですね。その結果、ビジュアル系バンドのグッズも、アニメやゲームと同じコンセプトで展開することができ、バンドのファンにも受け入れてもらえました。

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――最近では、有名ファッションブランドがメジャーなキャラクターとのコラボレーションをすることもありますが、同じキャラクターアパレルでも、COSPAのアイテムとは大きな違いを感じます。

既存のファッションブランドの場合は、あくまでブランドの製品とキャラクターのコラボレーションということで、COSPAの様に、作品の世界観やキャラクターの性質にまで踏み込んでコンセプトを組み立てることが無いと思います。

村田蓮邇さんや、okamaさん、カトキハジメさんといったキャラクターコンテンツの世界で活躍するデザイナーの作品から、洋服や小物だけを取り出してみても、そのデザインには、ちゃんと世界観やキャラクター性が宿っていますよね。従来のファッションの世界では見ることができなかった面白いイメージが、キャラクターの世界には豊富にあるので、デザインすることを通じて、そういったイメージと日常との間を遊んでいきたいですね。

――最後に、これからキャラクターとデザインに関わっていきたいという人達にむけたメッセージ、アドバイスがあればお願いします。

好きな事はとことんやりましょう。「こんなもの作りたいな」と思ったときに、作り始めちゃう人と、思うだけで終わる人とでは圧倒的な差が開いてしまいます。

キャラクターを勉強している人であれば、自分のキャラクターをTシャツにしたくない人はいないですよね? だったら、みんなでプリントゴッコを買ってTシャツを作ればいいんです。デジタルの時代でも、自分の手を動かすということは貴重な経験になるので、描いたり縫ったり切ったり貼ったりすることも大切にしてほしいと思います。

とにかく、いろいろなことを経験して、まずは思いついたら手を動かすこと、これは学校の課題よりも大切かもしれません!

(2007年4月9日 COSPA本社にて)

インタビュー/構成:平岩真輔

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