NHK連続人形活劇『新・三銃士』操演・おかの公夫さん&映像デザイン・神藤恵さんインタビュー

■映像デザインという仕事

――まず、映像美術の世界に入った経緯とこれまでのキャリアから伺えますか。

対談第三回

もともと舞台の演劇やミュージカルがとても好きだったんです。演じる方もやったのですが、仕事としての適性は美術の方にあるなと判断してこちらに来ました。高校までベルギーに住んでいたので、芸術や骨董が身近だったし、日本とは違う生活感やスケール感が体になじんでいて、『新・三銃士』にも役だっています。

 

NHK に入局してから様々な分野の番組に携わっています。『新シルクロード』※6などのドキュメンタリー、幼児教育番組、音楽番組、ドラマ……。いろいろな番組と出会えるのはうれしいですね。

――「映像デザイン」というのは、具体的にはどんなお仕事なのでしょうか。

NHK連続人形活劇『新・三銃士』
※6『新シルクロード』
‘05年。モーターパラグライダーによる空撮を中心とする雄大な映像で注目を浴びた。
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NHKの中に映像デザイン部というあらゆる番組の映像ビジュアルを受け持つ部があるんですよ。セットデザインはもちろん、タイトルロゴをデザインしたり、コンテを描いたり、詳細な仕様を決めたり。美術製作会社への発注や予算の管理もします。NHKの映像デザイナーはただ単にクリエイティブであるだけではない。公金を適正に扱う意識を持ちつつ、その中で番組のクオリティーを最大限に引き上げる能力が求められるんです。

――監督や演出の指示でセットを作るだけではなく、根本から関わるのですね。

映像デザイナーはアートディレクターとして企画段階から番組に関わり、ディレクターと同じ目線で作品をより魅力的にしていくというのが主眼なんです。『新・三銃士』では、三谷さんが脚本を書く為のイメージがより広がるように絵や模型を作りました。とにかくアイデアが浮かんだら絵に描いてぶつけてみるというプロセスの中で固めていこう!という試みでした。

――『新・三銃士』の原点はこれなのですね。最終形とはだいぶ違う、明るくてトルコやロシアのような感じですよね。

対談第三回

当初は手探り状態でファンタジーよりでしたが、脚本の舞台は「パリ」でしたし、人間ドラマに主眼を置いていたので、皆さんの「パリ」というイメージから離れすぎないように多少軌道修正していきました。

その間にフランスに行ってもいるんです。実際に行くと全然違いますよ。目には見えない空気感まで感じられるし、腑に落ちますから。番組放送後は好評をいただけてよかったと思っていますが、作っている最中はだれも正解とは言ってくれないから、不安なんです。一方でスタッフや他のセクションを動かすには、自分自身で「これでいい!」と思わなければいけない。そういう自分のデザインに対する確信が持てました。

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