アニメをかもすぞ!ノイタミナ『もやしもん』の舞台裏《前編》

アニメをかもすぞ!ノイタミナ『もやしもん』の舞台裏《前編》

雑誌「イブニング」(講談社)で好評連載中の農大生マンガ『もやしもん』(石川雅之・作)が、待望のアニメ化を迎えます。制作を手掛けるのは、老舗アニメスタジオ・テレコムアニメーションフィルムと、映画『ALWAYS 三丁目の夕日』で知られる映像スタジオ・白組という強力なタッグ。世界初の“菌アニメ”がどのように作られるのか?!第1話の放送を直前に控えた制作スタッフのみなさんに、その舞台裏をうかがいます。

インタビュー前半では、監督の矢野雄一郎さん、プロデューサーの磯田敦仁さんのお二人に、企画の立ち上げから作品のみどころまで、じっくり語っていただきました。放送前からかもすぞー!!

もやしもん1巻

『もやしもん』とは?

肉眼で“菌”を見ることができるという特殊な体質の主人公・沢木惣右衛門直保。もやし(種麹)屋の息子として、幼馴染の結城蛍とともに進学した農業大学で出会ったのは謎の老紳士・樹教授と、個性豊かな先輩達だった。沢木をとりまく人々とかわいい菌達がくりひろげる、農大ライフを描いた世界初?の菌マンガです。講談社より単行本5巻まで発売中!
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■アニメをかもすぞー!

――『もやしもん』アニメ化企画はどのようにスタートしたのですか?

磯田プロデューサー

磯田 『もやしもん』といえば特徴的な「菌」たちの人気が高いマンガなので、アニメ化させていただくにあたっては、まずそこの表現をどうするか、というところから考え始めたんですね。その結果、おそらく原作の読者の皆さんは、菌について「なんだかわからない細かいものが、たくさん集まって動いている」とイメージされているのではないか、と思いまして、そういう表現を得意としているのは3DCGだろう、と。それで、まずはその技術に定評がある白組さんにお声がけしました。

オープニングはなんと『ALWAYS 三丁目の夕日』の山崎貴監督の演出で実写映像の中を菌達がうごきまわります。必見!

――そこからテレコムさんにお話が行ったのは?

磯田 人間ドラマの部分は普通のセル画調のアニメーションで作りたいと思っていましたので、白組さんに引き受けていただいたあと、その部分を信頼してお任せできるパートナーさんを挙げていただいたんですね。それがテレコムさんだったんです。

――矢野監督がこの企画を引き受けようと思われた理由はどのようなところにあったのでしょう?

矢野監督

矢野 やはり、まずは何よりも原作がとても面白かったことですね。登場人物同士のやりとりが的確で、感情の流れが自然に続いていて、いちいち展開が腑に落ちる感じがしました。なので、いままで自分がやってきた仕事の延長線上で、きちんと魅力的な作品にまとめられるだろうな、と感じたんです。

――「ノイタミナ」という、アニメファン以外の層も意識した枠で放送される作品を作るという点で、何か特別に意識されたことはありましたか?

矢野 色味やキャラクターデザインといった点で、これまで手掛けてきた作品よりも上の年齢層をやや意識してはいますが、やはり登場する菌のかわいらしさが突出していると思いますので、特別に意識しないでも、作品の持っている魅力に沿って丁寧に作っていけば、普段アニメを観ないような方にも楽しんでいただけるのではないか、と思っています。菌のかわいらしさで目を留めてもらって、そこから展開されている人間同士のドラマに目を向けていただけると、さらに楽しんでいただける、というような作りになっていたらいいと思いますね。

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©石川雅之・講談社/もやしもん製作委員会



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