Production I.Gにリアルドライブ!『RD 潜脳調査室』中武哲也アニメーションプロディーサーインタビュー

Production I.Gにリアルドライブ!『RD 潜脳調査室』中武哲也アニメーションプロディーサーインタビュー

――キャラクターの肉体というか身体性な部分も非常に……。

まさか(笑)。

――「ムチムチ」ではなく(笑)。ハルさんという老人が主人公で、歳をとれば体は不自由に、動かなくなっていくものだという部分でも踏み込んだ表現をされていたかなと。テレビの企画で老人をメインにするというのはハードルが高いですよね。

RD 潜脳調査室

相当いろいろあった部分ではありますけど(笑)、ハードルは高かったと思います。そこらへんは、作らせていただいてありがとうございますということで。

年齢を重ねている主人公の良いところは、培ってきた時間を描けることですかね。知性と時間。そこは物語に耐久性を与えてくれた要素じゃないかと思っています。ところで「ムチムチ」とおっしゃいました?

――はい(笑)。

キャラクターデザインの上山徹郎さんは、ムチムチという思考ではなくて。上山さんの線画だと、結構ふくよかなキャラクターでも、張りがあるんですよね。健康的で魅力的なキャラクターだなと思いました。最初のころに、世間の反応で「ムチムチ」という単語を聞いて「そうなのかぁ」って(笑)

――キャラクターデザインに上山さんを起用されたのは?

RD 潜脳調査室

監督の強い意向ですね。アニメーションにしたときに躍動感があって、重さを感じるキャラクターデザインです。上山さんの描くマンガは、すごいアクションを連想させる絵なんですよね。アニメのようなマンガ。たぶん、そこに強く惹かれたんだと思います。監督は、作品の中心部分以外では常に新しいことをされる方なので、『RD』ならではのチャレンジとして。

――作画監督にも金子拓さんという、ムチムチしたキャラ作画の達人が(笑)。

金子さんは、懇意にしているアニメーターに「このキャラクターを描ききるには、誰でしょうか」と聞いたところ、金子さんの名前をいだたいて、なるほどと(笑)。他社でお仕事をされていたんですけど、どうしてもお願いしたいという気持ちが自分の中にありまして、で3回ほど会いに伺って、I.Gに来ていただきました。金子さんの画を見た上山さんが「自分の画のようで驚いた」と言われてましたね。

RD 潜脳調査室

――上山キャラが金子作画で動くなんてすごい!ですよね。

実際、金子さんには驚かされました。キャラクターだけではなく、レイアウトも素晴らしく上手で動かす力も非常に高い人です。エースにする作画監督は、20代で上山徹郎好きにしたいとずっと思っていて、それが偶然ハマったという。いや、良かったです。画はエロいのに、本人は真面目な方でびっくりです(笑)。コミュニケーションも取りやすく、非常にありがたい存在でした。スタジオのスタッフにも金子さんが与えた影響は大きいと感じています。

RD 潜脳調査室

――ヒロインのミナモもムチムチですが、お友達のキャラはなかなかテレビではお目にかかれない感じに(笑)。そういったキャラ設定を通すのは大変ではなかったですか。

「あれ?」って感じることはありました(笑)。まずは3人トリオでバランスをつけたいというのがあって、元気ハツラツなミナモ、スポーティなサヤカ、よく食べるユキノで。上山さんのデザインでさらにイマジネーションが炸裂して。上がってきたキャラを見ながら上山さんと監督と「上山さん、結構、結構ですね……」「何がですか?」みたいな(笑)。3人揃ったときのバランスかなということで、監督と「これでいきましょう」と。

――実際、とても可愛らしいキャラで、作品同様に新しい世界を開いた気がします。

新しい魅力ですよね。目を開くと特に可愛いんですよ。女の子からの評判が良かったので、びっくりしました。

前ページへ
2/4
次ページへ



  最近の記事

ぷらちなトップページに戻る ぷらちなへお問い合わせ