「糸曽賢志の一方通行なおしゃべり」

第ニ回「企画の種を育てて自分色の花を咲かせます」

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皆さん、こんにちは。人によってはこんばんは。 糸曽 賢志(いとそ けんじ)です。

最近は、作品制作に追われる毎日です。

今、ボクは『コルボッコロ』というオリジナルアニメーションを制作したり、『探偵事務所5』という実写作品を制作したりしています。

もともとボクはアニメーションを中心に活動していたのですが、最近は実写作品を創る機会もいただいているので勉強中なのです。 どうせ、創るなら個性的な実写を撮りたいということで、ボクの制作する実写はCG・アニメ・粘土アニメ・影絵などを融合したものになっています。

「おいおい、そんなこと言われても、さっぱり絵が見えね~。アンタ一体どんな実写撮ってるんだ?」

という素敵な質問がでてくることを先読みして、以前ボクが創った動画の一部がこちらから見れます。是非ご覧下さいね。

さて、そんなボクの紹介は置いといて、前回に引き続き「オリジナル企画書」の作り方をお話します。

前回、企画書を作る上で抑えておいたほうがいいかも、ということを6つ書きました。

今回はその中の「1.制作期間とスケジュール」について。

「制作期間を決める」というのはなかなか難しいのですが、とても重要なことなのです。 「締切が作品を完成に導いている」と言われることもあるくらい。

と、いうのも作り手からすれば、良い作品に仕上げたいから時間はたくさんほしいと思うから、締切がないとなかなか作業が終わりません。 特にアニメーションの場合は、制作期間がかかればかかるほど、スタッフの方々のお給料などがかかるので制作費がたくさんかかってしまいます。

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それに作品は、時間を掛ければ掛けたぶんだけ良くなる、ということはないとボクは思っています。

制作期間が短くても良い作品はたくさんあるからです。 だから、皆さんもなるべく自分の中で最初に制作期間を決めてください。

制作期間を決めたら次にスケジュールを作成するのですが、この際、制作スケジュールは大きく4つのグループに分けて考えます。

以上です。それぞれの具体的な作業内容は次のようになります。

人によってスピードは違うと思いますが、上の内容を参考としてスケジュールを組みます。

これは、たとえ一人でアニメーションを作っている方でも考えた方が良いです。 商業作品に近づくと、こういうスケジュール管理能力を求められるからです。

ちなみに、テレビアニメの1話(20分くらい)の制作期間は3ヶ月から4ヶ月くらいみたいです。

ボクが少人数で30分くらいのアニメ作品を作る場合は6ヶ月から8ヶ月くらいで創ります。

さてさて、今回は主にスケジュールについてお話しましたがいかがだったでしょうか?

難しい内容も出てきたかもしれませんが、知っていると役立つことはあるかもしれません。 いえ、きっと役立つにちがいありません、そう決めました。

ところで、話は少し変わるのですが、最近色々なプロデューサーさんや監督さんが新人に求めるものを話してくださったので書いておきます。

一番もとめるものは「オリジナリティー」みたいです。 荒削りでも、技術的にはまだまだでも、このセンスは頑張っても真似できないと思わせることが大事とのこと。

というのも、どこかで見たことあるものなら無理にその人が創らなくても誰かが創るからだそうです。

そういう意味では、人に個性的に見られるのは作品創りにおいては良いことなのかもしれません。

そんなこんなで、今回はこのへんで終わりにしたいと思います。

それでは皆様、またお会いしましょう。

いとそ けんじ

糸曽 賢志(いとそ けんじ)
糸曽 賢志
1978年、広島生まれ。東京造形大学在学中に、アニメ制作会社でアニメーション制作に参加。 20歳で巨匠宮崎駿の弟子となり、ジブリ演出を学ぶ。 大学卒業後はゲーム会社に入社し、イラスト、グラフィックデザイン等に従事。 現在はフリーの映像作家として実写・アニメーションを中心に活動している。 2005年より早稲田大学、本庄市、日本映画監督協会の支援を受けて個人アニメーション制作に 取り組みつつ、早稲田大学内に置かれた自らの研究室で、映像を研究。 文化庁新進芸術家国内研修員にも認定されており、今、最も期待されている若手映画監督の一人である。
加藤英美里×糸曽賢志アニメ 『コルボッコロ』完成インタビュー
クリエイター糸曽賢志がもっとよくわかる!ロングインタビュー
糸曽賢志オフィシャルウェブサイト(http://www.itoso.net/)


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