「糸曽賢志の一方通行なおしゃべり」

第十四回「東京国際アニメフェア」

皆さん、こんにちは。人によってはこんばんは。糸曽 賢志(いとそ けんじ)です。

さて、今回は先日開催された東京国際アニメフェアについて書かせて頂こうと思います。

毎年、アニメフェアには情報収集の意味も含めて行くようにしているのですが、今回初めて出展する側になりました。

コルボッコロポスター

出展作品は現在ボクが制作中の『コルボッコロ』

アニメフェアでは様々な作品が発表されているので、その中で自分の作品に気付いてもらうのは大変なことだろうなあと思いましたが、自分なりにできることをやろうと準備したのを覚えています。

具体的に用意したのは、作品のポスター、配布用パンフレット、タペストリー、CM映像ってとこです。

ポスターのデザインなどは作品の制作作業の合間を縫って何パターンか作ったうえで決定稿を決めました。

ここにも2点ほどパンフレットデザインを掲載させて頂いていますが、今回は背景をメインに構成して世界観の壮大さを伝えようと制作。

ちなみにこのパンフレットの裏面には『コルボッコロ』の情報が記載されています。 その内容は作品紹介サイトからも見ることができるのでご興味があればご覧下さい。

イベント前にトラブルはつきものですが、今回も色々起こりました。

コルボッコロポスター準備稿

特に焦ったのは、開催初日にステージにて近況報告をさせていただくことになっていたのですが、数日前になってCMを流す時間を決められ、急遽ブースで流す映像とは別にステージ用に編集し直さなければならなくなったことです。

今回のCMは主題歌に合わせて編集していたので、それを短縮するのは音とズレてる気がして最後まで非常に気になっていたのですが、いざ流してみると初めて見て頂いた方々は特に違和感は感じなかったそうです。

こういう事を経験すると、自分のこだわりを必ずしも視聴者が良いと思うとは限らないということが分かりますよね。 作り手としては、こだわりを否定された気分にもなるし少し悲しいのですが、逆に勉強にもなる瞬間だと思います。

また、自分で編集作業をすると、何度も同じ映像を繰り返し見るので、だんだん良いのか悪いのかの判断もつかなくなってくるし、見る方にとっては気にならないことをずっと時間を掛けて修正したりしてしまい非常に非効率になることがあります。

人はきっと自分の中だけでものを表現してしまうと、どうしても自分よがりになってしまうみたいですね。

そういう意味では、自分の想いや感情だけで人に見ていただく作品を制作するというのは正しくないのかもしれません。

何にしろ人からお金を出して頂いて制作する作品は、人に見て頂いて、その反応を見た時にはじめて完成する気はします。

なんだか結論の出ない話になってきましたが、ボクにとってアニメフェアでの作品公開は色々な方と繋がるきっかけにもなったし充実した日々でした。

それと、アニメフェアでも公開した予告CMがネットでも公開になっています。 画像が多少荒いですが、ご興味のある方は是非ご覧下さいね。

今回はこの辺でひとりごとを終わりにしたいと思います。 お目に触れた方にとって、何かが少しでも伝わっていれば、幸いです。

それでは皆様、またお会いしましょう。

いとそ けんじ

糸曽 賢志(いとそ けんじ)
糸曽 賢志
1978年、広島生まれ。東京造形大学在学中に、アニメ制作会社でアニメーション制作に参加。 20歳で巨匠宮崎駿の弟子となり、ジブリ演出を学ぶ。 大学卒業後はゲーム会社に入社し、イラスト、グラフィックデザイン等に従事。 現在はフリーの映像作家として実写・アニメーションを中心に活動している。 2005年より早稲田大学、本庄市、日本映画監督協会の支援を受けて個人アニメーション制作に 取り組みつつ、早稲田大学内に置かれた自らの研究室で、映像を研究。 文化庁新進芸術家国内研修員にも認定されており、今、最も期待されている若手映画監督の一人である。
加藤英美里×糸曽賢志アニメ 『コルボッコロ』完成インタビュー
クリエイター糸曽賢志がもっとよくわかる!ロングインタビュー
糸曽賢志オフィシャルウェブサイト(http://www.itoso.net/)
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