「糸曽賢志の一方通行なおしゃべり」
第十七回「アフレコに向けての準備」
皆さん、こんにちは。人によってはこんばんは。糸曽 賢志(いとそ けんじ)です。
連休も終わりましたが、皆様はいかがお過ごしでしたでしょうか?
ゴールデンウィークの名前の由来は色々あるみたいなのですが、そのうちの一つに映画の興行収入がお正月や夏休みと同じくらいに良かったという理由からゴールデンウィークと 呼ぶようになったのがはじまりと聞いたことがあります。
そういう意味でも、ゴールデンウィークは映画にゆかりのある時期と言うことでいつも以上に気合を入れて『コルボッコロ』の制作を行っていました。
さてさてそんな中、ついにアフレコを行いました!
いろいろ書きたいことがあるのですが、まずは順を追って台本についてから話させていただきたいと思います。
最近知ったのですが、アニメの台本は実写の台本と中身が違います。アニメは絵コンテから脚本を起こすので、台詞の他に場面の状況や効果音などが書き込まれていたりして、作業しやすいように考えられているなあと感動してしまいました。
そんな台本を読んで、キャラクターに命を吹き込むのが声優さんです。今回は、81プロデュースさんにお願いしてオーディションをさせていただきました。
最初にデモテープを頂いて聞き込んでみたのですが、いまいちしっくりくる人が見つからず困ったのを覚えています。
というのも『コルボッコロ』は自然な演技を重視したいと思っていたので、従来のアニメのサンプルを聞いてもよく分からなかったのです。
そこで、脚本を一部抜粋&注意書きを添えてそれぞれのキャラクターに対して5人くらいの候補者の方々に読んで頂きました。
選ぶ際、プロフィールなどの資料は見ずに声だけ聞いて選ばせて頂いたのですが、一番驚いたのが『コルボッコロ』とヒロインの「鈴」で良いなあと感じた声優さんが同一人物だったことです。
最終的に決定したのが加藤英美里さん、宮田幸季さん、河本邦弘さん、上田純子さんの4名。
今回は収録後に声に合わせて口の動きをつけるつもりなので、アフレコガイド用映像を用意します。 アフレコ用のガイド映像というのは、喋り出すタイミングやカットのナンバーを入れた映像のこと。
それを見ることで脚本のカットナンバーと照らし合わせながら脚本を読む練習が出来るので便利なんですよね。
それでは、この辺でひとりごとを終わりにしたいと思います。 お目に触れた方にとって、何かが少しでも伝わっていれば、幸いです。
次回は、アフレコ作業について書かせていただこうと思いますのでご興味をお持ちの方は是非ご覧下さい。
それでは皆様、またお会いしましょう。
いとそ けんじ
- 糸曽 賢志(いとそ けんじ)
- 1978年、広島生まれ。東京造形大学在学中に、アニメ制作会社でアニメーション制作に参加。
20歳で巨匠宮崎駿の弟子となり、ジブリ演出を学ぶ。
大学卒業後はゲーム会社に入社し、イラスト、グラフィックデザイン等に従事。
現在はフリーの映像作家として実写・アニメーションを中心に活動している。
2005年より早稲田大学、本庄市、日本映画監督協会の支援を受けて個人アニメーション制作に
取り組みつつ、早稲田大学内に置かれた自らの研究室で、映像を研究。
文化庁新進芸術家国内研修員にも認定されており、今、最も期待されている若手映画監督の一人である。
⇒加藤英美里×糸曽賢志アニメ 『コルボッコロ』完成インタビュー
⇒クリエイター糸曽賢志がもっとよくわかる!ロングインタビュー
⇒糸曽賢志オフィシャルウェブサイト(http://www.itoso.net/)