「糸曽賢志の一方通行なおしゃべり」
第二十回「パイロット版が完成しました!」
皆さん、こんにちは。人によってはこんばんは。糸曽 賢志(いとそ けんじ)です。
何だか梅雨なのにほとんど雨の降らない毎日ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
そんな不思議な季節が流れている中、ついに『コルボッコロ』のパイロット版が完成致しました。 そこで今回は、完成試写会の様子を書かせて頂こうと思います。
まずは試写会当日の朝。
普段緊張というものをほとんどしないボクですが、この日ばかりは何故か不安に包まれすぎて食事が喉を通りませんでした。
「さ~て、困ったぞ」と思いながら、少しでも不安を拭い去るために舞台挨拶をどうするか考案。
何とか皆さんの心に少しでも引っかかることでも言いたいなと思い、色々なパターンを考えては脚本に起こし、ストップウォッチで計りながら実際に喋ったときの尺を計算。
この辺に笑いの1つでも入れないと飽きられそう、とか考えながら最もスベりにくそうな自虐ネタを盛り込んだりしつつ脚本を暗記。
そこまでやったのに不安は拭い去られるどころか、舞台挨拶でダダすべりだった状況を想像してしまい、ますます胃が痛くなってしまいました。
言い訳するわけではないですが、基本的にまだ知名度の低い人間が舞台上で何か突飛な事をやると自意識過剰に見えて大抵スベるのです。 ボクも何度も味わったことがあります。
調子に乗ってネタっぽいことをやった時の場の静まり方と、想定外な状況に焦る発表者の構図は悲惨なものがあるんですよね。
なのに何度味わっても舞台上では笑いの1つでも取りたいと思っている自分がいるのが複雑なところだったりします。
ただ、ボクのつたない経験から1つだけ言えるのは、きちんと脚本を作って実際に練習してから発表するのとそうでないのとでは反応に全然違いがあります。 テレビのバラエティなどにも脚本やカンペが存在するのもそれが理由なのでしょう。
話がそれてしまいましたが、そんな準備をした後、試写会場である秋葉原UDXへ。
久しぶりに来た秋葉原ですが、来るたびに近代化されている気がします。
リハーサル&音と色味のチェックを行い準備は完了。
試写会開始まで2時間以上あったので、建物内をブラブラしていたらラジオの公開録音をやっていました。 女の子が凄くたくさん集まっていて、誰がパーソナリティなのだろう? と思いながら通り過ぎたのですが、後から聞いたら宮田幸季さんだったみたいですね。
宮田幸季さんはコルボッコロにも参加してくださっているので、ラジオ公録終了後に、そのまま試写会場に来て下さいました。
そうこうしてるうちに、試写会開始時間。
それまで胃が痛くなってしょうがなかったのですが、舞台挨拶のため壇上に立ってスポットライトを浴びた瞬間、妙に落ち着いて気持ちよく喋れたのを覚えています。
練習の甲斐もあって、それなりに笑いも取れたので一安心。 そのあと、30分のパイロット映像が流れました。
今回は、関係者の方々と色々な会社のプロデューサーさんやバイヤーの方々のみの参加だったので、試写会後も様々な感想が聞けて良かったです。
そんな感じで無事終了した『コルボッコロ』の試写会。
自分なりに課題はたくさん残るものの、ボクのやりたいという想いから生まれた作品企画に賛同し、協力して下さった皆様に本当に感謝しています。
これからこのパイロットを元に長編やTVシリーズなどを目指して動き出します。 実現には膨大な時間とお金が必要なのでハードルは高いですが、今後も様々な方々に助けていただきながら少しづつ前へ進んでいくつもりです。
それでは、この辺でひとりごとを終わりにしたいと思います。 お目に触れた方にとって、何かが少しでも伝わっていれば、幸いです。
それでは皆様、またお会いしましょう。
いとそ けんじ
⇒『コルボッコロ』goo アニメ(http://anime.goo.ne.jp/special/anime-innovation/coluboccoro.html)
- 糸曽 賢志(いとそ けんじ)
- 1978年、広島生まれ。東京造形大学在学中に、アニメ制作会社でアニメーション制作に参加。
20歳で巨匠宮崎駿の弟子となり、ジブリ演出を学ぶ。
大学卒業後はゲーム会社に入社し、イラスト、グラフィックデザイン等に従事。
現在はフリーの映像作家として実写・アニメーションを中心に活動している。
2005年より早稲田大学、本庄市、日本映画監督協会の支援を受けて個人アニメーション制作に
取り組みつつ、早稲田大学内に置かれた自らの研究室で、映像を研究。
文化庁新進芸術家国内研修員にも認定されており、今、最も期待されている若手映画監督の一人である。
⇒加藤英美里×糸曽賢志アニメ 『コルボッコロ』完成インタビュー
⇒クリエイター糸曽賢志がもっとよくわかる!ロングインタビュー
⇒糸曽賢志オフィシャルウェブサイト(http://www.itoso.net/)