「糸曽賢志の一方通行なおしゃべり」
第二十三回「デジ絵の文法イベント」
皆さん、こんにちは。人によってはこんばんは。 糸曽 賢志(いとそ けんじ)です。
いきなりですが、皆さんは『デジ絵の文法』という番組をご存知でしょうか?
フジテレビ系列で放送されている番組で、毎回著名なデザイナーさんに密着取材しながら絵を描く際に使用する機材や技術を紹介するという内容のものです。
そして、この『デジ絵の文法』がDVD化されたのを記念して、アミューズメントメディア総合学院さん・WACOMさん・ポニーキャニオンさんがタイアップイベントを開催しました。
イベント内容は、『トップをねらえ!2』のフューチャービジュアルデザインや、『電車男』『月面兎兵器ミーナ』などのキャラクターデザインをされているokamaさんをメインゲストに招いて、制作裏話や実際に絵を描いてもらっちゃおうというもの。
そして、そのイベントの司会進行&okamaさんとの対談役として、ボクも参加させていただきました。
そんなわけで、今回のコラムではそのイベントについてお話させていただこうと思います。
当日は、13時からのイベントに備えて、12時からランチミーティングの予定となっていました。
司会進行用の脚本にも目を通したかったので、11時半には会場に着くように自宅を出発したのですが、その日に限って雷雨の影響で電車が止まってしまい、大幅に遅れてしまいました。
結局、会場に到着したのは12時半。
仕方ないこととはいえ、非常に申し訳ない気持ちでいっぱいで会議室に入ったところ、
「大雨の中大変でしたね」と、okamaさんとスタッフの方々に優しく迎えていただき、無事打ち合わせも行うことが出来ました。
そしてついにイベント開始。
『デジ絵の文法』の内容に添って進行したのですが、フォトショップの様々な機能を使用して作業の効率化が計られているため、okamaさんは仕事が速いことに改めて気付きました。
特に印象的だったのが、自分でカスタムブラシを作成して使用していること。 カスタムブラシをポイントに活用することで、女性の着るドレスなどの細かい模様が素早く仕上がります。
また、絵を描く際に自分がよく使う様々な作業をアクションに記録しておくことで、作業時間を短縮しているようです。
こうやって書くと、わりと皆が使っている当たり前の機能がメインで紹介されたのですが、こういった当たり前のことをきちんと使いこなすことが大事なのですね。
最後は、聴講者の方々からの希望で「ミーナ」を即興で描いていただき、無事にイベントは終了しました。
イベント終了後は、せっかくなので貪欲に営業活動。。
okamaさんには、ボクの進行中の企画に参加していただくようお願いしたり、ポニーキャニオンさんやWACOMさんにも今後色々絡めるようにお話させていただきました。
こういう地道な営業活動がいつか実を結ぶことを信じて行動しているのです。
そんな感じで終わったイベントですが、ボクにとっては新しい人脈も広がったし、技術的にも色々なお話が出来て楽しかったです。
来場された方々にとっても楽しいものになっていれば、良いのですが。
絵を描くことに興味のある方なら非常に勉強になる内容なので、まだの方は是非『デジ絵の文法』をご覧になってみてはいかがでしょうか?
それでは、この辺でひとりごとを終わりにしたいと思います。 お目に触れた方にとって、何かが少しでも伝わっていれば、幸いです。
では皆様、またお会いしましょう。
(2007年08月22日)
いとそ けんじ
⇒okamaオフィシャルサイト『okama_site』(http://okama.nicomi.com/)
⇒デジ絵の文法 [DVD]をamazonで見る
- 糸曽 賢志(いとそ けんじ)
- 1978年、広島生まれ。東京造形大学在学中に、アニメ制作会社でアニメーション制作に参加。
20歳で巨匠宮崎駿の弟子となり、ジブリ演出を学ぶ。
大学卒業後はゲーム会社に入社し、イラスト、グラフィックデザイン等に従事。
現在はフリーの映像作家として実写・アニメーションを中心に活動している。
2005年より早稲田大学、本庄市、日本映画監督協会の支援を受けて個人アニメーション制作に
取り組みつつ、早稲田大学内に置かれた自らの研究室で、映像を研究。
文化庁新進芸術家国内研修員にも認定されており、今、最も期待されている若手映画監督の一人である。
⇒加藤英美里×糸曽賢志アニメ 『コルボッコロ』完成インタビュー
⇒クリエイター糸曽賢志がもっとよくわかる!ロングインタビュー
⇒糸曽賢志オフィシャルウェブサイト(http://www.itoso.net/)